- 旧バージョンでは、計算精度の関係上、計算領域に対して必ず直角入射となるように図形を自動回転していましたが、ユーザ様からの多数のご要望により、計算領域に対して入射波向きを計算領域に対して±45度の範囲で設定可能としました。角度制限を設けているのは、領域に対して角度を持ちすぎることによる計算精度の低下を防ぐためです。尚、弊社としましては引き続き、従来の方法を推奨しています。
- 任意の透過率堤体が取り扱えるようになりました。任意透過率境界の設定は「任意反射率・任意透過率の防波堤による平面的な波浪変形の数値計算 酒井ら(1978)」によります。これは、構造物前面での入反射波共存場での線流量から、反射率・透過率を与えて透過波成分のみに対する線流量を算定するものです。尚、本計算手法は波の位相干渉の効果を考慮した計算となっております。したがって、設定した堤体幅により、防波堤背後の波高分布が変化することに注意が必要です。また、透過はX方向(入射波は沖→岸方向、反射波は岸→沖方向)のみで計算されます。Y方向に関しては透過は考慮されていませんので、例えば透過構造物は波向きに対してできるだけ直角に近くなるように配置した方が良いですし、波向きに対して平行に設置されている透過構造物は計算上無視されることになります。
- 波向きのベクトル図が作図可能となりました。不規則波の場合は、各成分波ごとの波向きを重ね合わせて平均することにより算出しています。
- 波向きのデジタルマップ図が作図可能となりました。
- 水深格子データの入出力が可能となりました。例えば、水深計算後のデータをファイル出力し修正を行うことや、すでに水深データがある場合などにそのデータを使用して計算することが可能となりました。それに伴い、陸域部分にのみ格子をかけた図面を作図することが可能となりました。
- 不透過境界の設定が可能となりました。地形データが複雑な場合などに、計算領域の設定位置によっては本来波が入射しない箇所から波が入射してしまうケースがあります。それを防ぐため、強制的に境界の海域メッシュを不透過境界とする機能です。
- 浚渫を行った海底地形など、人工的な形状に対応するため、一定水深線及び一定水深領域が設定可能となりました。一定水深領域を設定した場合、領域内の水深計算結果を強制的に指定した地盤高に置き換えます。ただし計算内部では、メッシュ水深として4点の平均水深を使用しているため、計算上はその通りの形状でないことに注意が必要です。
- 陸域境界線分に設定されている反射率を配置し、作図することが可能となりました。
- 任意の文字列が作図可能となりました。その時、図面条件で設定する備考欄の文字列をワンタッチで設定することが可能となっています。
- 陸域境界の不連続の確認のため、端点に大き目のプロットマークが表示され、認識し易くなりました。
- DXFファイル入力の曲線のポリラインの読み込み方法が変更されました。従来、曲線のポリラインを読み込んだ場合、コントロールポイントのみ読み込んでいましたが、本バージョンから円周上を細かく分割することにより、形状を再現可能としました。
- 設定した波浪条件がテキストファイルに出力されるようになりました。
- マウスのスクロールボタンによる拡大・縮小が可能となりました。
- 任意の位置をマウスで指定し、ドラッグすることによる移動が可能となりました。
- その他、アイコンの充実など操作性の改善を行いました。
- システムの自動バージョンアップに対応しました。インターネットを経由し、常に最新版のチェックを行うことが可能です。
Ver1.x.xの販売は終了いたしました。Ver1.x.xはVer1.1.4が最終バージョンとなります。
Ver1.x.x以前のユーザー様はVer2.x.xへの切替をご検討ください。
尚、「波浪変形計算システム(非定常緩勾配方程式) for Windows(Ver2.X.X)」の動作にはMicrosoft .NET Framework Version 2.0 が必要になります。